ホーム > ブログ > 2024 > 5月

ブログ

2024年5月

老後4000万円問題と対応策

老後に必要な金融資産が2000万円から急に4000万円になった?と騒がれています。

これは直近の物価高や金利の上昇を考慮しての結果と思われますが、その真相を整理したいと思います。

元々の2000万円という数字ですが、政府の試算で生活に必要な金額が年金だけでは不足し、その額が毎月5.5万円ということで、5.5万円×12か月×30年間=約2000万円ということでした。

 

上記の資産額が、いきなり4000万円になった理由は、昨今のインフレ(物価高)を考慮しての事です。

すなわち、年3.5%のインフレが長い間継続すると仮定すると、約20年間で2000万円が複利効果で4000万円になるのが真相です。

要するに、今現在2000万円持っていても、年3.5%のインフレによって、年々金融資産額が目減りしていくので、それを補っていくには最初から4000万円の預金が必要という事です。

少々、乱暴な議論ですが、あり得るかもですが、年3.5%のインフレは盛りすぎのような気がします。

一方、預金金利が3.5%あればインフレと相殺され、2000万円で良い訳ですが、日本では到底実現できそうにありません。

 

これを受けて我々はどう対処していけば良いか?不動産投資で解決方法を見いだせないか?ということが、このメルマガを読んでくださっている皆さんの最大の関心事でしょう。

株式投資に詳しい方は、個別株やインデックスのファンドでこれを補っていくことを考えるかも知れません。これはこれで有力な方法ですが、元金毀損リスクがあります。

 

私のように不動産投資を実施している方々は、元金毀損のリスクを避ける意味では、リターンが大きくは期待できない代わりに、堅実な配当金が期待できるREITの方が適すると判断すると思います。

実際、REIT配当金は年4%位は期待できますし、元金の毀損リスクもかなり少ないと思います。

年3.5%のインフレが継続する可能性は少なく、年2%位だと、2000万円をREITで運用して年4%の配当金を受け取りながら、老後資金の不足を補っていくという戦略を一つの解として考えてみました。

 

もう一つは、やはり現物の不動産投資です。私の地元である北九州市でにて、市内中心部にあるファミリーマンションの中古賃貸を例題としてみます。

1000万円の前半から、かなり良質の分譲賃貸のオーナーチェンジ物件があります。

例えば2000万円の予算では、1000万円の物件を2戸購入して月6万円位で賃貸に出します。2000万円の物件なら、築浅で種々あるので、1戸購入して月10万円位で賃貸に出します。

これらの条件なら、月5.5万円の不足額は十分に補えるのではないでしょうか。ただし融資での購入は厳しいと思われ、現金一括購入の必要がありますので、この点は留意ください。

 

首都圏在住の方には、物件価格や賃料の安さに驚かれるかも知れませんが、この北九州の様に地方の分譲中古マンションは、首都圏などに比較すると、驚くほど安く購入できる代わりに賃貸に出した場合の家賃も安いのです。

皆さんの投資エリアで、上記の例題を基にして検討してみてください。

 

中古マンションの賃貸物件としての競争力は、何といっても立体が最優先です。立地が良ければ満室経営は十分に期待できます。

ただし政令指定都市であっても、人口減少が著しい地方都市では、市内中心部に限り賃貸需要があると考えないといけませんので、物件選定は慎重に行う必要があります。

最後までお読み頂き、 ありがとうございました。



大家業の毎年の悩みの種

5月も中旬になりました、新緑の世界が次第に広がってきます。

と同時に、私を悩ませる現象が今年もむくむくと育っていきます。

1棟賃貸物件では、時としてエントランス付近に植樹が豊富にある物件があります。
緑は人を和ませ、落ち着きを与えます。また、マンションの品を上げてくれます。
駐車場のアスファルトの間の植木や裏庭の緑は、住む人々に安らぎを与えます。


不動産投資の初心者ほど
・タイル張り物件に目を注ぎ
・植木や植樹の上品さに心を奪われ
という状況が待ち構えています。

しかし、経験豊富な不動産投資家にとって土と木のある物件ほど、厄介な代物であることが判っています。
春から秋にかけて、私の最大肉体労働の一つが、この土と木の管理、およびこれらが生み出す物の処理なのです。

土は雑草を生み、木は枝葉や落ち葉を生みます。建物の物件管理費用にこれらの対応は通常は入らないことが普通です。
もしかしたら、管理費に含まれる場合はラッキーと思ってください。


私の保有する物件において、国の補助金を申請しようと企画しました。この時に・・・
真っ先に考えたのは、この対象物件の周囲を固めている土と木を完全に除去して補助金目的の建物に衣替えすることでした。

毎年毎年、除草剤の散布、枝葉の伐採、駐車場の落ち葉整理、などに苦しんでいたこの物件、補助金のおかげで「土と木」をほとんど抹殺することに成功しました。
それでもなお、5月になるとアスファルトの隙間からしぶとい雑草が生えて来ます。5月もこの作業に数日、充当する事になります。


不動産投資を目指して、物件調査を行う時、
・雑草が生えた敷地
・植木が茂って伸びきった姿
・落ち葉が乱雑に広がっている状況
等を想像してみてください。

その処理の手間とコストを考慮して物件選びをすることを強くお勧めいたします。
まあ、これは程度問題ですので、運動をかねてメンテナンスをいとわない方もいるでしょう。

でも、年令がシニア層になるにつれて、私の様に
・腰を痛めたり
・時としてぎっくり腰になったり
・普段使わない筋肉を傷めたり
という可能性がありますので、ご安全に。

スマートにやろうとすれば、簡単です、これらのメンテナンスを業者に頼めば、何という事もありません。
ただし・・・驚くほど費用がかかることも申し添えます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

大家業は究極の低人件費事業


「大家業は究極の低人件費事業である」
「人に悩むことのない事業である」

この事を実感している不動産投資家は非常に少ないと思われます。
私もこの事を大家を開始して10年経過した時期に実感することとなりました。

きっかけとなったのは、アカデミー会員に障害者グループホームを経営している方が数多く入会した時期です。
当時、郊外の安い戸建てを借りて、そこに4人程度の障害者の方々の衣食住をお世話するというビジネスが流行っていました。

当時入会した会員の多くは、この事業に新規に参入していましたが、収益が出ずに集客もままならず、苦労されていました。
その一方で、私の友人でありアカデミー会員であるO氏が、自己保有のシングルタイプの1棟RC物件で障害者のグループホーム(GH)を運営し、大きな成果を上げていたのです。

次から次へ入居希望者が殺到して、一般の方の退去する空室が追い付かない程の盛況ぶりでした。
私とO氏はこれが全く新しい大家業となることを確信して、アカデミーにおいてもO氏をフォローできる方々を会員として受け入れたのです。


さて、その時に障害者GHを運営している新規アカデミー会員が運営する福祉法人の決算書を複数拝見することができました。
そこで驚いたのは、人件費の割合の高さです。売上は国からの補助で非常に大きいものの、障害者をお世話する世話人や管理者の人件費に売上の50~60%が出て行っていました。

50~60%は戸建てタイプのGHを複数棟すでに運営している方の法人でしたが、1棟の方は人件費で赤字、2棟くらいを
運営して初めて人件費を払える規模になり、なんとか黒字になる事業でした。

大家業は管理会社へ支払う管理費(賃料の5%)が人件費に相当するコストくらいです。よって、すべての事業のなかでも稀にみる人件費の低さに改めて認識したという訳です。


1棟RCシングルマンションで障害者GHを運営するという手法は、当アカデミー会員が先駆者となり、いまでは日本各地でこのタイプのGHが見受けられます。都市型新大家モデル(都市型福祉GH)となずけ、当時は大いに宣伝させて頂きました。
戸建てタイプのGHは全国的に大手企業も参入して、いまは乱立状態となり、ビジネスとして高収益を出すことは年々、難しい状況になっているようです。


一方、我々が先駆者となった都市型新大家モデルにおける障害者GHは、地域を選択すればまだまだ高収益を維持できるビジネスです。
人件費についても、戸建てタイプの50~60%程度に抑えることができますので、これから福祉事業に参入する方は、この都市型福祉GHをお勧めします。

私のYouTubeチャンネルにも都市型福祉GHについて、O氏との対談動画をアップしているはずですので、興味のあるかたは参考にして頂けたら幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

これから金利は確実に上昇する

不動産投資家にとって、融資の金利はキャッシュフローを左右する重要な指標です。
長い間、日銀・黒田総裁(+安部首相)の異次元の金融緩和政策によって、我々は低金利を謳歌して来ましたが、それもいよいよ転換となりそうです。

最近、ドル円相場において、円買い介入の動きがありましたが、それも米国イエレン氏の牽制発言で、今後の円買い介入が非常にやりにくくなった模様です。
植田総裁と岸田首相の会談が久々に行われたとの報道があり、植田総裁の発言も利上げ寄りに傾いてきていて、ドル円の円安を防止する対策としては利上げもやむなしとなる予感があります。


そうはいっても、米国のように0.25~0.5%の利上げを年に何回も行うことは、日本では到底無理と思われます。
せいぜい、0.1%や0.2%程度の小幅な利上げ、しかも年に数回程度しか許されないでしょう。

なぜなら、特に変動金利で住宅ローンを借りている多くの庶民が苦しむからです。
減税で政権を維持したい岸田首相にとって利上げは避けたいはず、しかし金融市場での円安は頭が痛い両ばさみの状態です。


不動産投資家と言えども、利上げに対して無傷では済まないと思います。・・・が、一般庶民に比べると耐力があるはずです。
何故なら、住宅ローン支払いの原資は、
・一般庶民は給与から
となりますが、不動産融資の支払いは、
・大家は入居者からの賃料から
充当されるからです。


先週、たまたま金消契約の変更手つづきがあり、銀行に聞きました。すばり、今後の融資の金利上昇があるか否か。
答えは、
・短期プライムレートが上がればありえる
というものでした。
要するに、不動産融資(プロパーローン)の金利は、短期プライムレートに連動すると考えるべきです。


現在の銀行の短期プライムレートは、銀行で多少差がありますが、次のようになっています。
<都市銀行、SMBCや三菱UFJ等>
 1.475%で統一されている模様
<地方銀行>
 1.85%(Y銀行)
 2.35%(HN銀行)
 など、1%後半から2%前半が多い


現在、私が受けている不動産融資(プロパー)の金利(変動)は1.0%~1.3%。今後は、各銀行の短期プライムレートの変更に良く注意しておくようにしましょう。

一つの対策としては、変動金利で借りている場合には、固定金利に切り替えるということも有効かもしれません。
また、現在でも融資返済がきつい場合、0.2~0.5%の金利上昇となる場合の返済シミュレーションの実施をしておく事を強くお勧めします。


私の場合は・・・・幸い、残債はかなり減ってきておりますし、
手持ち資金もありますので、逆に残債を大きく繰り上げ返済するチャンスと捉えていこうかと思案しているところです。
ただし、一般論としては不動産融資の元金を早期に繰り上げ返済することは、全くの禁じ手であることは、付記しておきます。


今日は、不動産融資の金利が上がる可能性について、述べてみました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

地方政令都市で1棟RC物件の生き残り策

さて、今日は地方政令都市における1棟RCマンションの生き残り策について考えてみました。


人口減少、世帯数減少、の日本では、地方政令都市の1棟RC賃貸マンションでも安泰ではありません。
物件価格が高止まりする中、投資に値する物件をどうやって探していけば良いか?

築20~30年未満のRC物件の利回りは地方政令都市と言えども、8%あれば今現在は良い方です。
しかし、都心部の郊外に位置したり駅から徒歩20分を超えるような立地では、今後は客付けに大変苦労するのは目に見えています。

実際、築30~40年のRC物件は、10%程度のものが数多く見受けられますが、空室だらけです。
いわゆる再生物件には、今の時代では誰も手を出さなくなっています。再生しても、入居者がいない状況だからです。


築20年~25年のRC1棟物件をまずは考えてみます。
まだまだ、築古とは言い難いので、この物件群は

(1)立地が最も重要なファクター
となるでしょう。

JR沿線、私鉄沿線、モノレール沿線で徒歩10分圏内を探すことです。しかし、徒歩圏内だけでは、競争力は低下するしかありません。では、何が必要か?ズバリ、
(2)買い物に便利な立地
です。

私が今メインで住居している北九州でも数多くの賃貸マンションがありますが、「駅近い+買い物便利な地域」でしか、人気がありません。

この状況を顕著に表しているのが、新築で大規模マンションの立地です。
よく観察すると、かならずこの「駅近い+買い物便利な地域」に建設されています。

新築でさえ、この状況ですから星の数ほどある中古の賃貸マンションではなおさらです。
さらに言えば、学校区が良く、ファミリー物件では駐車場が2台取れる条件ではBESTな選択でしょう。
駐車場の2台目は物件敷地内でなくても近隣パーキングがあればOKです。

 

まとめると、築20年代の1棟RCマンションは
(1)駅から徒歩10分圏内の立地
(2)買い物便利、近くに大規模商業施設
(3)学校区が良い
(4)駐車場2台可

がこれからは、満室経営にために最低限求められる条件と言えるでしょう。

では、築30~40年のRC物件、いわゆる再生物件には、投資に値しないか?
いいえ、そんなことはありません。誰もが手を出さなくなっているからこそ、ブルーオーシャンの世界が待ち受けています。

その扉を勇気をもって、開いた大家が大きなキャッシュフローを得る権利を有しています。
今日は長くなりましたので、この話題は別の機会に記すこととします。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

物件選定眼の肝

物件紹介を受けて現地調査して物件への取り組みを判断する際、どのように行っているか。
今日はこの事について、考えてみます。

例えば、次のような物件を紹介されたと仮定してみます。
・1棟RC物件
・シングル30戸、25m2ワンルーム
・地方都市の比較的中心地
・駅から徒歩10分
・築25年、価格1.5億円
・表面利回り9.5%

今の市況から見れば、取り組み検討に値する物件でしょう。
慾を言えば、利回りは10%を超えて欲しい処ですので、仲介を通じて価格の交渉をする事にします。

さて、AさんとBさんが候補者にいたと仮定します。現地調査の結果、
・Aさんは積極的に取り組む
・Bさんは取り組みしない
という結論に到達したとします。


当然、AさんとBさんとでは、物件を判断する根拠が違う訳ですが、私が長年苅田アカデミーというコミュニティを運営してきて、不動産投資に成功する人は、必ずこの観点で物件を判断していることに気が付きました。

一つ、たとえでヒントを出します。物件見学を終えた後の2人の感想です。

Aさんのコメント
・利回り11%の指値をしようと考えている(落としどころは10%~10.5%)
・交通利便性もよく、買い物の近場がある(単身者で徒歩圏内ですべて揃う)
・土地がやや傾斜しているが、問題無し(3~4年くらい住むのには問題無し)
・総合的に満室経営が出来そう

Bさんのコメント
・利回りが自分の基準に到達していない(築25年であれば10%以上は必要)
・持ち込む銀行が好まない物件(付き合いのある銀行の営業地域外)
・物件背面が傾斜地で、日当たりも悪い(物件の雰囲気が暗そう)
・何となく気が進まない(大家として持ちたい物件がしない)


違いに気が付かれましたか?
Aさんは、入居者目線で物件を評価しています。
Bさんは、大家目線で物件を評価しています。

私(苅田)も、物件を取り組む基準として、入居者目線を徹底してきました。
一つの例としては、この物件に住みたいかどうか、自問自答してみます。

出来れば済みたくない物件だとします。しかし、満室経営できると判断すると買い付けに進みます。
これまで保有してきた物件で、特にシングル物件の80%は自分でも”あまり”住みたくない物件でした。
私の妻に言わせると、”絶対に”住みたくないという物件ばかりです。


勿論、絶対基準ではありませんが、これらの入居者目線と大家目線の違いに気が付いた段階で不動産投資家として、初心者の域を脱することができるのではないでしょうか。

実はもう一つ、初心者にありがちな行動パターン、絶対にやって欲しくない行動があります。
物件取り組みに進まない場合、初心者は必ずこの行動を取ります。

これを改善すると、物件取得に大いに前進すること、間違いありません。総計30億円を投資してきた私の絶対的経験則です。
これについては、別の機会に紹介します。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

返済元金は将来のキャッシュフロー

不動産投資を始めた頃、毎月キャッシュフローを大きくするかを常に考えていました。
その答えとして、高利回りのRC1棟物件をフルローン狙いで出来る限り多くGETすることに全精力を注ぎました。
そして、年月は過ぎ・・・現在で大家業16年目に到達しました。


今の関心毎は、融資返済を如何にして早めるか、言い換えると繰り上げ返済で借入金を出来る限り早く返してしまうこととなっています。
この段階になると、金融機関は極力返済期間を維持してもらうために繰り上げ返済を渋ります。

これを何とか交渉しつつ、一時2桁億円あった借金は、1桁億円の前半になっています。
借金減額には、もちろん物件売却が大きく寄与しているのは確かですが、それ以外の要因としては返済期間の短さにあります。


取得してきた全18棟(売却済みも含む)で考えると、一番短い返済期間は15年、最も長いもので30年。
30年の物件は、都市銀行からの融資で法定耐用年数までフルに借りました。

平均的には、20年間の融資が多かったです。この条件だと、法定対応年数より5~10年も短くなっています。
一般論として、不動産投資のキャッシュフロー最大化には、低金利で法定耐用年数までの融資期間を選択することが鍵であることは、もちろんです。

しかし、過去の地方銀行ではこの選択肢は稀でした。地方銀行独自の目線で、例えば35年から築年数を差し引いた期間での融資が原則でした。
こうなると、必然的に利回りが高く、築年数も20年未満のRC物件でないと、大家の運営が回りません。

このような物件群を融資返済終了まで持ち切ればこれまで返済してきた元金は、突如としてキャッシュフローに早変わりします。この観点からでは、不動産運用中のキャッシュフローはトントンで良しとして、残債が無くなった後を目標とする不動産投資家を目指すこともありかも知れません、いいえ大いにありだと思います。


あと数年でこの状況が開始されますので、私はじっと待つよりも、早く早くこの状況を達成したいと、金融機関と交渉している訳です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。